田立歌舞伎は、岐阜県東濃地方から伝わりました。津羽根沢小幡家文書によると、享保14年(1729)に初めて演じられたと書かれており、宝暦12年(1762)からは南宮社のお祭りには必ず演じられていたようです。
娯楽の少なかった時代、祭りの際に催される歌舞伎興行は、地域の住民にとって大きな楽しみでした。農村歌舞伎は江戸時代から各地で盛んに行われ、戦前までは南木曽町内でも与川、妻籠、蘭地区で行われていましたが途絶えてしまい、現存する田立歌舞伎は貴重な存在となっています。田立歌舞伎が現在も伝承されているのは、地元で芸を引き継ぐ師匠と呼ばれる人材が育成されてきたこと、また芝居好きが多い土地柄であるためでしょう。
昭和48年(1973)4月18日に南木曽町無形文化財に指定され、田立歌舞伎保存会により現在も伝承されています。
